今日は
- 怖いという感情の向き合い方
について解説してみようと思います。
質問をいただきました。
私は最近、人が多いところで人とすれ違ったり、人と並んで怖くなったりすることがあります。仕事先では初めましての人と会う時も怖く感じてしまいます。
この前、人とぶつかっただけで震えが止まらなくなって逃げるように帰りました。
時々外出しますが、人の目が気になって怖くなります。
誰かに話しても理解されないし、どうすればいいのかわかりません。
こんな自分にどう向き合っていけばいいのか教えてください。
前回に引き続き、メンタルケアに関する相談をいただけることは嬉しく思います。
他人が怖いという感情、難しい問題ですよね。
そして大変苦しんでいる状況にあることを想像します。
怖い感情は無視しなくていい
僕は怖い感情は無視しなくていいと思っていて
むしろ大事に持ち続けてほしいと思っています。
“うつヌケ”という漫画からあるコメントを抜粋します。
物事を悪い方に考える人は危機を回避しやすく、生き残る可能性が高い。
太古にそうやって生き残った人たちの子孫が私たちなのです。
つまり今私たちがネガティブなのはあたりまえ!
だからネガティブな自分は優秀である!・・・くらいに自分を肯定していいと思うのです。
うつヌケ/田中圭一著 角川書店
つまり怖いといったネガティブな感情は人間が生きていく為に大事な感情なのです。
僕なりの考えとしては、ネガティブな感情を持つ人は魅力的な部分があると思っていて
例えば、皆さんが聞いている曲の中で
素晴らしいと感じる曲の多くはネガティブな表現をしているものが多くないですか?
僕が好きなBUMP OF CHICKEN、the pillowsでも
悲しいんじゃなくて疲れただけ 休みをください誰に言うつもりだろう
奪われたのは何だ 奪い取ったのは何だ 繰り返して少しずつ 忘れたんだろうか
ギルド/BUMP OF CHICKEN
君といるのが好きで 後はほとんど嫌いで
周りの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン
優しい歌を唄いたい 拍手は一人分でいいのさ
それはキミの事だよ
ストレンジカメレオン/the pillows
僕はこの二つの曲が大好きなのですが
きっと心の奥底に誰もがネガティブな感情を持っているからこそ
こういった共感して心惹かれるのではないかと思います。
必ず落ち着ける時間も作っておく

ネガティブはよい感情である、とは言いましたが
かといって四六時中ネガティブな感情に晒され続けるのはしんどいですよね。
僕は1日のなかで必ず落ち着ける時間を作ります。
例えば僕は勤務中の昼休憩は他人と一切話しません。
そして誰もいないような空間に身を置いて休憩します。
僕はどうしても1人の時間がないと疲れ切ってしまいます。
そして仕事ばかりではなく、自分が心から楽しいことにも目を向けます。
しんどいことばかりしていたら疲れてしまうので、僕は必ず好きなことをする時間を設けます。
仕事に勉強に疲れてしまったら、僕はギターを持って弾き語りをします。
それは何も考えることはなく、ただ好きなギターを好きな時間に思うように弾いてみます。
僕はこんな何気ない時間が大好きです。
その時はやり残している課題だったり、仕事のことなんか一切考えません。
ネガティブになるのであれば、自分なりにポジティブになれる時間を作っておく。
このようにして自分の感情と付き合っていきます。
ネガティブな感情の良い側面を考えてみる
怖い。寂しい。不安だ。
こういった負の感情は本人の根本にある優しさがあるのだと思っています。
負の感情がないと、そもそも何が正の感情なのかはわかりませんよね。
なので負の感情の奥底にある正の感情にも目を向けてみてください。
僕はネガティブな感情を持つ人は同時に優しさも持っていると感じます。
例えば
- 怖い・不安だと思うのは、何か守りたいものがあるから。
- 寂しいと思うのは、相手を愛おしく思うから。
そう思いませんか?
つまり、心の奥底に優しさがあるからネガティブな感情が出てくるのだと思います。
ネガティブな人は皆優しいのだと思います。
※日常生活に影響が出ているなら心療内科に相談も検討する
もし本当に人が怖くて
- 外にも出られない
- 人と話すのが怖い
- 怖くて何もする気が起こらない
と日常生活にまで影響が出ているのであれば、近くの心療内科への受診も視野に入れてください。
ここで大事なのはこういった悩みはできるだけ専門家の意見も交えて考えることです。
こういった医療機関は自分では考えることのなかった貴重な意見をいただけることがあります。
医療機関に相談するのはさすがに気が引けますか?
僕はむしろ気軽に行ってほしいものだと思っています。
その中でも心療内科は本当に身近な場所です。
例えば
- 仕事に育児で休む時間もなくて疲れ切っている
- なんとなく眠れなくなってきている
- 休み明けがどうしても憂鬱になる
といった些細な悩みでも大丈夫だと思います。
むしろ身近な生活の悩みを解決する相談窓口として地域の医療機関は存在しています。
気軽に相談してみてください。
まとめ:人の感情は今を生きている証
怖いといったネガティブな感情が好きな人はあまりいないと思います。
ですが僕が思うに、こういったネガティブな感情が湧くのは
人が今を一生懸命生きている証であるように思うのです。
そしてこういった感情こそ、人間が生きる醍醐味であるように思うのです。
負の感情は正の感情と常に隣り合わせ。
そしてネガティブな感情を持つ人は優しいのだと思います。
その優しさがいつか人の役に立って、その人を助けられる一助となればいいですね。
ネガティブな感情を持っている人は劣等感を感じるのではなく
むしろ強みがある、というように思っていいと思うのです。
そして人は誰でもネガティブな感情を持つ存在。
そんな感情をいつまでも大事に持っておいてほしいですね。