お悩み相談

【相談】認知症の家族にどう接すればよい?現役作業療法士が解説します。

kazu
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こんにちは。kazuです。今日も皆さまお疲れ様です。

国立大学を卒業し、作業療法士として病院に就職。その後三度の転職を行い、現在は総合病院にて作業療法士として勤務しつつ、ブログや弾き語り配信を通して副業も行っています。

昼間も少しずつ涼しくなってきました。この時期はどこか物寂しい感じがします。

皆さまも同じ気持ちでしょうか?

 

 

質問を頂きました。

初めまして。この前初めてブログを拝見させていただきました。

kazuさんが作業療法士ということで相談があるのですが、実は私には認知症と診断された家族がいます。

それは母なのですが、母が認知症との診断を受けたことで、本人よりも正直私自身が戸惑っています。

これから母は将来介護が必要になって、私一人に介護負担がかかると考えると不安で夜も眠れなくなります。

そんな母に今後どのように接していけばよいか教えていただけますか?

 

現代の高齢社会において認知症は一時期話題となりました。

人生100年時代と言われる今、認知症という病気は決して他人事ではない病気へとなりつつあると思います。

kazu
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今回は認知症との関わり方についてお話させていただきます。

 

【参考書籍】

認知症というレッテルを貼らず、本人を見る。

まず結論から言うと

認知症であっても、本人が本人で無くなる訳ではない

ということです。

 

僕はこれまで数々の認知症と診断された入院患者様のリハビリテーションを担当させていただきました。

その経験から言わせていただくと認知症だからといって、日常生活の何もかもができなくなるわけではありません。

ましてや本人が本人でなくなってしまうわけでもありません。

 

認知症という診断を受けていても健康的に生活をされている人はいます。

そして今も認知症の患者様はたくさんの長所を持って楽しく生活されています。

 

一番やってはいけないことは、自分の家族を認知症患者だと思って接してしまうと、それは簡単に本人に伝わってしまいます。

そうしてしまうと本人の尊厳を大きく傷つけしまうことになりかねません。

 

大事なことなのでもう一度言います。

認知症になったからといって生活の何もかもができなくなる訳ではない。

ということを覚えていただけたらと思います。

 

kazu
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認知症であっても、唯一無二の存在であることを念頭に、尊厳を持って本人と関わっていくことが大事だと考えています。

お互いが負担にならないために出来ること

認知症であっても、本人の人間としての価値には変わりはありません。

いつも通り、本人には尊厳を持って接していきます。

 

無理に自分の言うことを聞かそうとしても本人にとってはストレスになってしまう可能性があります。

まずは、本人を理解することから始めること。

これをはじめの一歩としてみてください。

最も重要なのは、周囲が、認知症の人をそのままの状態で受け入れてくれることです。

その人との接し方を、それまでと同じようにすることです。自分と同じ「人」であるということを、第一に考えるということです。

自分がその人の立場ならどうだろうかと考えて、次にすることをきちんと説明してあげる。これが重要です。

引用:ボクはやっと認知症のことがわかった 長谷川和夫/著

次に僕が考えたその具体例を以下に解説していきます。

本人の短所ではなく、長所を見つめてみる

認知症といえば日常の物忘れがよく見られる症状であると思います。

物忘れといっても、その症状は様々です。

例えば

  • 日にちや場所、時間を忘れてしまう
  • 会った人の名前を忘れる
  • 今後の予定や約束事を忘れてしまう
  • 道に迷って目的地に着けない  etc…

といった症状が考えられるでしょうか?

 

最近本人の物忘れが多くなった…と不安に感じている方はぜひ覚えておいてほしいことがあります。

上記のような物忘れが多くなった人でも、過去の思い出に関する記憶は保持されている場合が多いです。

 

一度お母様と、家族にしかわからない過去の思い出について一緒に話してみてください。

仕事や家事育児、自分が小さかった頃の話、過去に撮った写真の光景…

どういう思いで子育てをしたのか、どんな思いで家事をしていたのか…

 

きっと笑顔でお話されると思います。

そして鮮明に思い出を語る本人の姿にきっと驚くと思います。

認知症になったからといって記憶の何もかもが失うわけではないことが分かると思います。

 

他にも料理や裁縫、園芸や物作りなど、かつて本人が好きだったことを一度一緒にやってみてください。

きっと今も上手にこなすことができる本人がいるかと思います。

(こういった身体で覚えている記憶を手続き記憶と言います。一般的に記憶力が低下された方でも、手続き記憶に関しては保持されている場合が多いです)

 

このようにして本人と一緒に楽しいと思えるような時間を過ごしてみてください。

問題行動には本人なりの理由がある

もし認知症と診断されたご家族様が

  • いつもイライラしていて時折大声を上げる
  • 日中勝手に外に出て行方不明になる
  • 何度も同じことを聞き返す
  • いつもソワソワしてて落ち着きがない

といった行動を繰り返しているのであれば、今一度考えてほしいポイントがあります。

 

そういった問題行動には必ず理由があって行動しているということです。

必ずしも認知症だから問題行動を起こす、というわけではありません。

 

今一度、ご家族様との接し方を振り返ってみてください。

認知症と診断されたご家族様に対し

  • つい強い口調で命令するように話してしまう
  • 問題行動に対し、怒鳴るように叱りつけてしまう
  • 推測が必要な言葉ばかりを選んでしまう(あれ、これ、あの時などなど)
  • 早口で喋って、長く話しかけてしまう

といった関わり方をしていないでしょうか?

 

たとえ認知症であっても、私たちと同じ人です。

本人が傷つくようなことを言ったり、早口で喋ったり

抽象的で難しい言葉を使ってしまえば、誰だって混乱したりイライラしてしまいます。

そういった負の感情が行動になっているのかもしれません。

 

もしかすると

  • いつもイライラして大声を上げる→また怒られることを怖れている
  • 日中勝手に外に出る→家にいたら怒られてしまうから、外に出たい
  • 何度も同じことを聞き返す→「あれ、これ」等の言葉の意味が分からない
  • いつもソワソワしている→何か忘れているのではないかと不安になっている

といった理由で行動しているのかもしれません。

 

いずれにせよ、認知症だからという理由で問題行動を解釈しないことをお勧めします。

人の行動には必ずその目的があります。

その目的をこちらが推測して、適切な接し方を取ってみてください。

例えば

  • 言葉だけで話すのでなく、文字に書いて説明しながら話す
  • 覚えていてほしいことを紙に書いて本人に渡す
  • 強くて早い口調ではなく、ゆっくりで優しい口調で話しかける
  • 本人がここにいてもいいことを安心して伝える etc…

といった行動が考えられますでしょうか?

kazu
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本人にとってどのような話し方で、どんな言葉を聞くことができたら安心するのか、想像しながら話しかけてみてください。

将来の介護が不安なら、早めに介護保険の申請を行う

将来自分だけでは本人の介護に自信がない、自分が忙しくて本人の介護をする暇がない。

というのであれば、早めに介護保険の申請を行うことをお勧めします。

 

介護保険の申請については以下をご参照ください。

出典:みんなの介護|介護保険の申請方法(要介護認定・手続きの流れ・必要なもの)

介護認定には事前に主治医意見書が必要になる場合がありますので、近くの市町村に確認してみてください。

また介護保険の認定には申請後におよそ1か月とかかるため、なるべく早めに申請することをお勧めします。

 

ちなみに介護保険は介護が必要になった人だけではなく、介護が必要な状態にならない人のための保険でもあります。

介護認定が下りれば、ケアマネージャーが本人の生活を全般的にサポートしてくれ、リハビリや福祉用具等が必要になれば手配もしてくれます。

一人で本人の介護を負担しようとは思わず、こうした様々なサービスの手助けを受けられることを知っておけば、精神的にも安心するのではないでしょうか?

→介護保険制度についての詳細は以下をご参照ください。

まとめ:認知症で家族が路頭に迷わないために

以上認知症のご家族様に対する接し方として

  • 認知症というレッテルを貼らない
  • お互いが負担にならない為に出来ること
  • 将来の介護が不安なら、介護保険の申請を行う

を解説しました。

 

認知症と向き合うのではなく、あくまで本人と関わっていくことが大事です。

本人にとって何が得意で、何が難しいのか。

どんな生活をしていくことが好きなのか、苦手なのか

それを一つずつ本人と考えていくことによって、自然と尊厳を持った関わりができるのではないかと思います。

 

病気と診断された者にとっていちばん悲しいのは、身近な人が自分を見て悲しそうな表情をしていることです。

 

認知症によって、その人の個性や尊厳が全くなくなってしまうことはありません。

本人は自分と同じで今を生きている人です。

今一度本人と正面で向き合ってみてください。

 

kazu
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認知症を理解するというよりも、これを機に本人のことを理解していく手掛かりにしていけたらと思います。 
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作業療法士/ブログ/ギタリスト/リベ大生/生き方を考えるOT 作業療法士が自由に豊かに暮らせることを証明したい。 僕もあなたも自分らしく生きていけるように。