こんにちは。kazuです。
今日も皆さまお疲れさまです。
今も回復期リハビリで勤務している同期の話を聞いて、ふと自分の経験を書いてみたくなりました。
今日は、自分が回復期リハビリにいたときの経験についてお話します。
回復期リハビリの内容について

僕が作業療法士1年目の時は主に回復期リハビリテーションを担当し、2年目で急性期と生活期と兼務するようになりました。
当時は1単位20分で、担当患者一人当たりおよそ3単位、1日計6~7名の担当患者様にリハビリテーションを行っていました。
回復期ならではのアプローチの面白さ
回復期の面白さは、患者様の回リハ入棟から在宅復帰・社会復帰まで長く・深く関わることができることだと感じています。
患者様によって、症状も様々であれば、生活背景も様々であり
回復期のリハビリテーションでは患者様の心身機能・生活機能を捉えつつ、患者様自身が今後望んでいる生活に向けて橋渡しできるようなアプローチを行っていました。
- 脳卒中で視力障害が残ってしまったものの、教諭を続けたい方
- 高次脳機能障害があったもののボランティアに生きがいを感じていたから自動車運転を獲得したい方
- 事故で骨折したものの生まれたばかりの赤ちゃんの世話を早くできるようになりたいと願う主婦の方
- 頚損の四肢麻痺があったものの居酒屋での外食を希望されていた方etc…
本当に様々な症状と様々なニーズがある方を担当させていただいたと感じています。
回復期で初めて担当させていただいた事例
作業療法士になって初めて担当させていただいた方は、上記の教諭の仕事をしたいと希望している方でした。
また本人は体育の教師であった為
- 血圧や外傷に注意しつつ、外で一緒に球技を行ったり
- 視覚不良のストレスで気分が滅入ってしまった場合のリラックス方法
- 自宅から職場までの通勤方法を一緒に考えたり
と様々なアプローチを行いました。
結果、担当させていただいた方は、無事に教諭へ復帰することができました。
退院半年後に、自分が働いている職場にわざわざ来ていただき
「おかげで今でも元気に学校の先生として頑張っていますよ。」
との言葉を頂いた時には涙が出そうになりました。笑
回復期リハビリで失敗したこと
もちろん回復期リハビリで失敗したこともありました。
それは
可能な機能回復を見極められず、早期から作業活動の支援だけを行っていたり、早期から道具を使って代償手段を用いてしまった
ことでした。
脳卒中の例でいえば

引用元:脳卒中機能評価・予後予測マニュアル/編集 道免和久より
上記のグラフ結果からみても発症から1~2か月程度は機能回復にエビデンスがある時期であり
作業の支援ばかりにこだわって、必要な機能回復のことについてはあまり考えていなかったことが反省点でした。
廃用手レベルだった麻痺側上肢も、機能回復できれば補助手レベルになっていたかもしれない、そうすれば食事で麻痺手が机に置けて、姿勢が保たれて、負荷の少ない食事ができたかもしれない
そうすれば奥さんとの外食が達成できていたかもしれない…
あくまで推測の中での話にはなってしまいますが
要は機能回復が望める時期にしっかり機能回復も行っていれば、もっと患者様にとって質の高い作業遂行ができていたんじゃないかなって思います
まとめ:回復期で考えておくべきこと
作業療法士が支援する「作業遂行」は「作業」「環境」「人」の相互作用の上に成り立っており、特にリハビリテーションの重要性が高い回復期リハビリでは
患者様の作業遂行を取り巻く心身機能と生活機能、環境因子を全体的に捉えて、優先順位を考えながらアプローチすべきと考えます。
もちろん機能回復にこだわって機能訓練ばかり行い、生活を変えられないアプローチも、問題の本質を捉えていない失敗例だと感じます。
患者様の望む作業遂行のために、機能回復と作業支援、環境設定をバランスよく捉えて
その日その時に優先的に行うべきアプローチは何か
常に考えながら診療業務にあたることが大事だと自分の失敗例から学びました。
失敗もありましたが、それでもなお、回復期リハビリで勤務していた時が、一番担当患者様から感謝されたと感じています。
患者様が作業療法を通して、心身機能・生活機能を取り戻し、笑顔で在宅に戻られる過程を直接経験できることが回復期リハビリテーションの面白さであったと感じます。
人から感謝される瞬間、それこそが自分の仕事にやりがいを感じる瞬間でした。