こんばんは。kazuです。
今日も皆様お疲れ様です。
今回は、以前の職場で経験した、維持期での作業療法についてお話します。
維持期リハビリで特に感じたこと

僕は維持期では通所リハビリテーションや外来リハビリテーション、以前は少しではありますが訪問リハビリテーションも経験しました。
過去に僕は、通所リハビリテーションを中心に作業療法を行っていたのですが、ここで特に印象に残ったのは
自宅退院しても社会生活に問題を抱えたままの高齢者が本当に多い。
ということです。
具体例でいうと
脳卒中で片麻痺の後遺症が残り、自宅改修も済ませて何とか自宅退院を果たしたものの、外出する機会が減って他者交流がなくなり、引きこもりのようになってしまった方
自宅退院したものの認知症で一人暮らしの為、自分で服薬管理ができず、さらに好きなものを好きなだけ食べてしまう為、血糖値やコレステロール値の悪化で再入院を繰り返してしまう方
自宅退院したものの、慢性的な肩関節疼痛により、趣味であった書道の習い事ができなくなって、日常の楽しみがテレビを見ることだけになってしまった方
かつて急性期や回復期で勤務していた時は、患者様の自宅退院を目標に介入していました。
しかし今改めて思えば
自宅退院とはその人らしい生活において必要条件の一部であって、それだけでは健康的な生活には不十分
であることを痛感しました。
クライエントがどのような作業ができて、どのように過ごすことができれば心身共に健康で自分らしいと思えるような生活を送っていただけるのか
クライエントの生活をサポートする作業療法士は、特に考えるべきだと思いました。
維持期はその人らしく生きる為のサポート

維持期での作業療法士の役割は退院後生活における、その人らしい生活の支援と考えています。
通所リハビリテーションで働いていた時は、作業療法で身体機能・認知機能維持を目的とした機能訓練だけでなく
創作活動等の作業を通してグループ活動を行い他者交流の機会を促したり
自宅生活では行えなかった利用者の趣味活動を支援したりしていました。
他にも自宅生活でのADL、IADLレベルや服薬管理について訪問看護師と連携を取ったり
必要であれば利用者の住宅内容の調査を行ったり
利用者の介護区分変更があれば
今後どのような福祉用具を使用し、どのようなサービスを利用していく必要があるのか
をケアマネージャーと連絡を取り合ったりなどを行いました。
急性期・回復期の頃とは違い、維持期での作業療法では、利用者の心身機能だけでなく、様々な生活要素に触れることができます。
訪問リハビリでの作業療法で経験したこと

また一時期ではありますが、訪問リハビリでの作業療法も経験しました。
特に訪問リハビリに関していえば、利用者の自宅から考えられる転倒リスクを評価して、必要な動作獲得や環境設定を行ったり、部屋の飾りや模様からその利用者の趣味や価値観を共有できたり
時には利用者が自宅で飼っているペットに飛びつかれて、全身毛だらけになったり…笑
利用者を取り巻く様々な生活場面を見ることができたので、面白くもあり、同時に奥深さも感じました。
訪問リハビリの医療体制の違い
ただ訪問リハビリに関していえば
医療体制の点において、ケアミックス病院での訪問リハビリと訪問看護ステーションでの訪問リハビリは、大きな違いを感じました。
僕はどちらとも経験をしたのですが
ケアミックス病院での訪問リハビリでは、基本的に主治医や数多くの看護師が病院に在籍しているので、臨床上で困ったことがあっても、現場ですぐに相談できる体制がありました。
それに対し、訪問看護ステーションでの訪問リハビリでは、基本的に主治医は不在であり、看護師も数人しかいない状況でした。
なので吸引や創部処置等の看護処置も、その場で必要であれば作業療法士が行ったり
利用者の状態を見て優先されるなら、呼吸リハビリテーションや飲み込み・発声訓練などのPT・STのようなリハビリを行うこともありました。
つまり臨床上の判断は基本的に、その場にいる作業療法士の自分ひとりで判断して行動しなければいけないことが多く、その分作業療法士の仕事上の責任が多いように感じました。
(訪問看護ステーションでは、各スタッフが常に携帯電話を常備しているため、言語上での相談は可能でした)
まとめ
しかし、介護部門ではやはり作業療法士の専門性が数多く生きる部門だと感じています。
クライエントの生活を「人」の部分だけでなく、「作業」や「環境」も幅広く捉えて、作業遂行を支援するという作業療法士の特性は、特に介護部門でニーズが高いように感じました。
- 疾患の特性に合わせた在宅生活でのADL支援に対する知識
- 必要な福祉用具・介護サービスを考えられる能力
- どんな「作業」をすることでその人らしい生活を送ってもらえるのかを考えられる特性
これらは全て作業療法士の得意分野であり、そして他職種からも助言を求められます。
以上の点から、介護部門ではますます作業療法のニーズは高まっていくと思います。
なので今後も介護部門で働く作業療法士が増えていってほしいと思っています。