作業療法士のこと

【仕事の紹介】作業療法士って何の仕事をしてるの?

今回は、現役作業療法士である僕が

  • 作業療法士の仕事内容について

ご説明させていただきます。

 

以前、作業療法士の仕事内容について解説しました。

作業療法士が働く場所の多くは病院または介護施設です。

その中で関わる患者様は大まかに4つに分けると

  • 急性期
  • 回復期
  • 生活期
  • 終末期

それぞれの病期でリハビリテーションを提供します。

リハビリテーションの中でも

  • 理学療法
  • 作業療法
  • 言語療法

の大まかに3つが提供されますが

その中の作業療法についてお話します。

  • 作業療法って何をしているのかわからない
  • 家族が入院してて、どんなリハビリをしているのか気になる
  • そもそも作業療法って聞いたことがない

といった方はぜひ参考にしてみてください。

作業療法士の大まかな仕事内容

その前に作業療法士における

「作業」の認識

について説明します。

 

皆さまに一度イメージして欲しいのですが

「作業」をしている場面を想像してみてください。

 

  • 編み物や折り紙などの手工芸
  • 内職のような手仕事

を想像するでしょうか?

 

ここで作業療法の定義を述べます。

 作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。

 作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値が含まれる。

出典:日本作業療法協会

つまり「作業」とは、手工芸や手仕事にとどまらず

日常生活における様々な場面で

自分が必要としている生活行為

を指します。

  • 歯磨きや入浴等の日常生活動作
  • 仕事等の生産的活動
  • 旅行等のレジャー活動

なども作業に含まれます。

 

そう考えると

作業とは、人の生活における様々な生活行為を示す

ことがわかります。

 

そして

作業療法士はこういった作業をクライエントが再び行えるよう支援します。

これが作業療法士の仕事です。

作業療法士って何を考えている?

結論から言うと、上記の画像の通りです。

ちょっと抽象的でわかりにくいですよね?笑

もう少し具体的に説明します。

 

作業療法士は作業ができなくなったクライエントに対し

再び作業が行えるように働きかけます。

(作業が行えることを作業遂行と言います)

その作業ができるようになることを考えるために

 

大まかに環境作業の要素に視野を広げて考えます。

  • 人は、その人自身
  • 環境は、周りの状況
  • 作業は、やり方

と覚えてください。

作業療法士の考え方の具体例

具体的に言うと

例えば、脳卒中を発症して半身不随になってしまった患者様から

「自宅の風呂場で入浴したい。」

との希望があれば…

その人自身

  • 今どんな障害を持っているか
  • 障害はどの程度か
  • 入浴に必要な筋力と持久力を持っているか
  • 身体を洗える程度に動かせる肩の柔軟性を持っているか
  • 入浴時にヒートショックのリスクがあるか

周りの状況

  • いつどこで入浴をするのか
  • 自宅ではどんな道具を使用するのか、
  • 自宅の風呂場はどんな様子か、
  • 自分で入浴するのに足りない道具はあるか
  • 入浴は家族の協力は得られるか
  • 家族が協力できないなら訪問入浴等の社会支援制度は使えるのか…

やり方

  • 入浴の中でもどんな動作ができるようになりたいと思っているか
  • 自宅で入浴することの難易度はどれくらいか
  • そもそも入浴にはどんな能力を必要とするのか
  • 洗体は座って行うか、立って行うのか…

といったように

クライエントができるようになりたいことに対する要素を幅広く評価します。

 

ここでの評価はクライエントのできないことばかり見るのではなく

できることの長所も見抜いてそれを生かし、作業遂行へ結びつけます。

この長所を見抜く力こそが作業療法士の強みでもあります。

作業療法士ってどんなことをしている?

作業療法士は

患者様の日常生活上の要望や退院後の希望などを聴取し

患者様の状態やその患者様の周りの状況を評価したうえで

リハビリテーションの計画を立てます。

 

医師や看護師や理学療法士等の他職種と連携し

目標を共有した上でリハビリテーションのゴールを設定します。

 

事前にリハビリテーションの目標を設定し

退院までの計画を立てた上で作業療法が開始となります。

 

作業療法が対象となる患者様は主に

  • 脳卒中や骨折等の身体障害
  • 統合失調症やうつ病等の精神障害
  • 脳性麻痺や自閉症スペクトラム等の発達障害
  • 認知症、廃用症候群等の老年期障害

と多岐の領域にわたります。

また、パーキンソン病やがん、ALS(筋萎縮性側索硬化症)等の難病を有する患者様にも作業療法の対象となります。

作業療法士は

  • 患者様の身体機能の向上
  • 自助具使用等の環境調整
  • 安全で効率的な日常生活動作指導

なども行います。

 

具体的なアプローチは

先ほどの具体例で

「自宅の風呂場で入浴がしたい。」

と希望があれば

その人自身

  • 着替えたり自分で身体が洗えたりできるように肩関節可動域の改善
  • 風呂椅子や浴槽から立ったり座ったりする為の筋力の向上…

周りの状況

  • どうしても背中に手が届かないのであれば長柄ブラシや洗体タオル等を使用
  • 必要であれば浴槽横に手すりを設置する等の在宅改修提案
  • ヒートショックが起きないように脱衣所にヒーターを設置…

やり方

  • 障害に合わせた着替え方、身体の洗い方を指導
  • 安全な風呂椅子からの立ち方・浴槽のまたぎ方を指導
  • 洗い残しがないように鏡をチェックする習慣をつける…

といったアプローチを行います。

(上記はあくまで具体例であり、実際にはこのほかにもたくさんのアプローチ例が存在します)

全ては

患者様にとって必要な作業を支援して、その人らしい生活ができる為の

アプローチを展開します。

まとめ:“出来るようになる”をサポートする

作業療法士は

病気等の様々な要因でできなくなったことがある人に対し

その人ができるようになりたいと思っていることを再びできるようサポートする

そういった専門職です。

 

その人自身が、自分らしいと思ってもらえるような生活を再構築する

このようにリハビリテーションを展開していきます。

 

上記の考えでリハビリテーションを展開していることを

ご理解いただければ幸いです。