この質問は当サイトのお問い合わせで届きました。
その一部を抜粋します。
勉強も仕事も人間関係もうまくいかず、私は何の為に生きているのかわかりません…正直言って消えたいです…少しだけ考えをお聞かせください。
生きる意味…とても難しいです。
僕自身もまだ自信のある回答ができるとは思っていません。
しかし悩める若者、精神疾患の方々、死を目前とした方々…
様々な事情を抱えている方々と関わってきた中で言えることがあります。
今回は僕なりに
「消えたい」思いを抱えていく中で生きること
についてお答えしていこうと思います。
消えたい気持ちは大事な気持ち
まず最初に言いたいのは
消えたいという気持ちは大事な自分の気持ちであること。
きっと生半可な気持ちでそのような思いになったのではないと思います。
理不尽な世の中でたくさん傷ついて…たくさん自分を責めて。
そういった経緯があるんだろうと思います。
僕は「消えたい」という思いは全く否定することなく
そのまま受け入れていい大事な気持ちだと思っています。
過去に受けた心の傷を正当化する必要もない。
よく立派な実績を残した方の言葉として
「あの時のしんどい時期があったから今の自分がある。」
と立派におっしゃっている方もいますが
つらい過去はつらいままでいい。
無理によかったことにする必要はないと思っています。
だって心の底からつらいと思ったことを「よかったこと」と捻じ曲げてしまうなんて
これほどつらいことはないじゃないですか。
そうして自分に嘘をついて、また自分を責めてしまったら
自分の「今」でさえも否定してしまいます。
だから「消えたい」と思う気持ちは大事な気持ち。
そのままの気持ちを大事にとっておいてほしいと思います。
もう一つの理由は
「消えたい」という思いには希望が込められていること。
「消えたい」という気持ちの奥底には
楽になりたい…助けてほしい…本当は生きたい…
きっとそんな思いがあるはずです。
つまり
よりよく生きたいという気持ちがある
心の奥底にはそんな思いがあるのではないでしょうか?
その気持ちがある限り自分に希望はまだ残されている。
だからもう一度いいます。
「消えたい」と思う気持ちは大事な気持ち。
僕はそう思います。
痛みの数だけ魅力がある
ただしこれだけは知っておいてほしい。
「消えたい」ほど痛みを抱えている人にはそれだけ魅力がある
僕はそう思っています。
「夢をかなえるゾウ 0」という書籍にはこんな言葉があります。
神経は「神を経る」と書くけどな。まさに神様は、痛みを通して自分らに大事なことを伝えてんねん。
そして何より…人間は「痛み」を経験することで、他者の「痛み」が分かるようになる。他者の苦しみや悲しみを、まるで自分のことのように感じられるようになるんや。
人は「痛み」によって、つながることができるんやで。
夢をかなえるゾウ 0|水野敬也著(株式会社文響社:2022/5)
この言葉にもあるように
人は痛みを抱えた分だけ、他人の痛みを理解できる人になれる
つまり優しくなれるからです。
僕自身も一度大きな病院で働いていたとき
さまざまな理不尽に遭って、心身の具合が悪くなった時がありました。
あの時は本当につらかった。大変だった。
ですがそういった過去を乗り越えて
今は作業療法士として精神疾患の方々と関わっています。
つらかったことを「よかったこと」と正当化するつもりはありませんが
そんな過去があった自分をありのままに受け入れたこと。受容したこと。
そうすることで精神疾患の方が苦しむ思いを
まるで自分ごとのように共感できる力となりました。
自分が生きづらさを抱えた過去があるから、他の人の生きづらさを共感できる。
それに世の中のほとんどの仕事は、人の痛みを解決に導くためにあるもの。
なので人生の痛みを抱えた人がたくさん活躍しています。
だからいま感じている心の痛みは自分にとって大事な痛みです。
大事にとっておいてほしい。
生きる理由なんていらない
最後に特に言いたいのは
生きる理由なんていらないということ。
「消えたい」ほど悩んでいる方の多くは必死で「生きる理由」を探しています。
「なんでこんな理不尽な世の中を生きなくてはいけないんだろう…?」
「なんで自分は生きていかなくてはいけないんだろう…?」
きっとそんな思いなのではないでしょうか?
その気持ちは痛いほどよくわかります。
でも僕は「生きる理由」なんて必要ないと思う。
だってただ生きていること、これだけいいから。
いま感じていらっしゃるとおり、理不尽で複雑な世の中だからこそ
ただ生きているだけでもすごいことだと思うんです。
「限りある時間の使い方」という書籍にはこんな言葉があります。
自分はたまたま生きているだけで、そこに必然的な法則は何もない。全てが偶然で、明日生きている保証なんかどこにもない…(中略)…だからどんなに不快な出来事でも、それを経験できるということは奇跡的だ。
その経験が快適かどうかよりも、そこにいて何かを経験しているという事実の方が、圧倒的に重要なのではないか。
限りある時間の使い方|オリバー・バークマン著・高橋璃子訳(株式会社かんき出版:2022/6)
新聞やニュースを見れば、誰かがこの世を去っている人がいる事実。
そんな世の中で僕たちは生きています。
だから「生きる」を選択し続けることがどれだけすごいことなのか。
それを特に実感してほしいと思います。
生きている。ただそれだけでいい。それだけですごい。
僕はそう思います。
まとめ
正直言って自分が最高の答えを用意できたかどうかは自信がありません。
でもこれだけは言えるのは
「消えたい」と思うほど苦しいのは一生懸命生きているから。
そんな人に魅力がない訳がない。
僕はそれを1番伝えたいです。
目の前の葛藤と一生懸命向き合っているから「消えたい」くらい悩んでいる。
僕はそう思います。
だからそんな自分でいい。生きているだけですごい。
たくさんの自信を持ってほしいと思います。
よければ参考にしてみてください。
生きているだけで、素晴らしいです。